介護職員として仕事を始めるときの心構え

人の生活を支えることを商売にし、看護師や栄養士など様々な専門職の人間と連携して業務を行う介護職は他の業種と比べると特殊な業界と言える。そのような職種では、他の職業の世界の常識が通用しないこともある。介護職員として仕事をする際に知っておきたい心構えとはどのようなものなのか。

まず徹底したコミュニケーションは欠かせない。介護は1人で完結することがあり得ない仕事だ。介護職員と利用者、その家族、ケアマネージャーや看護師などが協力し合い、健全な介護が成立する。誰かが連絡を怠り、ミスコミュニケーションが生じると、利用者の命に関わることになりかねない。ちょっとした不安や疑問でも、常に周りの人間に相談することが大事だ。また、利用者の立場で考える習慣をつけることも大切だ。自分の価値観で判断せず、利用者としっかり意思疎通することも介護職員に欠かせない能力である。
自分自身の体調管理も怠ってはいけない。介護職員のスケジュールは不規則になりがちで、油断していると体が対応できなくなってしまう。また、人間を相手にした肉体労働は想像以上に体と精神に負担を与えるものだ。体のケアと、自分自身の心のケアを日ごろから心がけておきたい。
自分自身のケアと言えば、キャリアアップも意識しなければならない。介護職は、常に次のステージが用意されている業種だ。介護職員から始まり、介護福祉士の資格を取り、そこから療法士や認定介護福祉士、看護師、ケアマネージャーなど様々な分野に進化していける。安定した給料があることで満足せず、常に自分の技術と知識を磨き、次のステージを目指し続けることを心がけたい。